特別養護老人ホームは主に重度の要介護者が入所することができる介護施設のひとつで、費用の安さや長期間入所することができる点から入所を希望している高齢者やその家族も少なくない。そんな特別養護老人ホームには抱えている大きな問題があると指摘されており、その中の一つとして深刻な問題となっているのが「入居することができる要介護者に対しての条件の厳しさ」が挙げられている。
一般的な介護施設では幅広い要介護度の高齢者が入所または利用することができるようになっているが、特別養護老人ホームの場合は要介護度が3度以上と指定されている。これは重度の要介護者を受け入れる施設であるための条件とされていて、要介護度が2度以下の場合は特定の条件を除いて入所することができないのだ。一見すると仕方がない制約に見えるものの、実際に要介護度が2度以下でも認知症などを患っているために家族での介護が困難であるケースも多い。
また条件をクリアしていても入所するまでに平均して2年から3年ほどかかってしまう点や、医療依存度が高い要介護者は対応してもらえないまたは対応してもらえても十分ではないという部分も問題とされている。
このような問題への改善策としては、国を挙げて特別養護老人ホームそのものを見直していくことが必要だとされている。またほかの介護施設を利用しながら入所を待つなど、高齢者やその家族に様々な提案をしていくアドバイザーの存在も必要不可欠だ。