特別養護老人ホームとは、在宅での生活が難しくなった高齢者が入居する介護保険施設である。公的な施設であり、民間の有料老人ホームと比べて安価で入居可能なことが特徴だ。緊急度の高い高齢者を優先して入居させるために、入居待機者も多い。
介護度が高い高齢者が利用する施設であるために、特別養護老人ホームで働く介護士の仕事は身体介助が多めな傾向にある。例としては入浴介助や食事介助、移動の介助などが挙げられる。
入浴介助は、入浴前に体温や脈拍をチェックし、入浴中も室温や水温の確認を怠らないなどの注意力が必要となる仕事だ。しかし、入居者の中には入浴時間を楽しみにしている方も多く、喜ぶ顔を見ることができるために、やりがいも大きい。
自力での食事が困難な入居者に対しては食事介助を行う。口に運ぶ食事の量を間違えることは喉に詰まらせる事故にもつながりかねないので、一人一人の入居者の特性を理解した上で介助することが重要だ。
高齢者は歩行中の転倒により、大きなけがにつながることも少なくない。歩く、座るといった移動動作を介助することは事故の防止のためにも大切な役割を持つ。
入居者の楽しみとなるレクリエーションの企画を立てることも仕事の一つである。リズムに合わせた遊びやお手玉、折り紙といった簡単に体を動かせるレクリエーションが行われている。特別養護老人ホームでは入居者の介護度が高いために技術や体力が求められる仕事が多いが、国からの補助金を受けているために運営が安定しており、福利厚生が充実している傾向がある。